LANケーブル選びで迷うのは、主に「CAT6とCAT6Aどちらを買えばいいか」と「長さを伸ばすと速度が落ちないか」の2点です。結論から言うと、契約回線が1Gbps以下で短距離配線ならCAT6で足り、10Gbpsプランや長く使う固定配線にはCAT6Aが向いています。また、20m・30m程度の長さであれば、規格内で品質のよいケーブルを使う限り通信速度が目に見えて落ちることは基本的にありません。
CAT6とCAT6Aの違いは?速度・帯域・太さで比較
CAT6とCAT6Aの違いは、主に最大通信速度と伝送帯域、ケーブルの太さです。Cat6Aの最大通信速度はCat6の10倍、Cat6Aの伝達できる情報量はCat6の2倍とされています。
| 項目 | CAT6 | CAT6A |
|---|---|---|
| 最大通信速度 | 1Gbps(条件により10Gbpsも可) | 10Gbps |
| 伝送帯域 | 250MHz | 500MHz |
| ノイズ耐性 | 標準〜高い | より高い(エイリアンクロストーク対策) |
| 太さ・硬さ | 細めで柔らかい | 太めでやや硬い |
| 向いている用途 | 1Gbps回線・短距離配線 | 10Gbps回線・長距離配線・将来性重視 |
構造面では、Cat6AのケーブルはCat5e・Cat6のケーブルよりも太く、硬いという特徴があります。これはCAT6Aが高密度なノイズ対策構造を備えているためで、取り回しのしやすさとはトレードオフになります。
速度の規格上の違いとしては、カテゴリー6は最大通信速度が1Gbps(10Gbpsは最大55mまで条件付き)、カテゴリー6aは10Gbps(最大100mまで)という目安が示されています。つまりCAT6でも短い距離なら10Gbpsに対応する場合がありますが、確実に100m近くまで10Gbpsを保ちたいならCAT6Aが前提となります。
CAT6とCAT6A、自宅・テレワークはどちらを選ぶべき?
目安は契約回線の速度です。1GbEまでの家庭用・ゲーム用はCat5eまたはCat6、10GbEを100mまで想定する場合はCat6Aという切り分けが分かりやすく、多くの解説記事も同様の基準を挙げています。
- インターネット回線が1ギガ以下:Cat6で十分です。動画視聴やSNS、通常のテレワーク程度の用途ならCAT6で困ることはほとんどありません。
- インターネット回線が10ギガ以上、または将来10ギガ化を見込む:Cat6Aがおすすめです。特にオンラインゲームや4K/8K動画視聴、Web会議を長時間安定させたい場合はノイズ耐性の高さが効いてきます。
価格差については、Cat6Aは「カテゴリ6A」と呼ばれる、Cat6の上位規格にあたるLANケーブルで、最大10Gbpsという高速通信に対応し、周波数帯域もCat6の2倍にあたる500MHzを扱える一方で、Cat6Aのケーブルは太く硬いという特徴があり、狭い配管や曲げがきつい箇所では通線しづらい場合がある点は、新設・改修時に確認しておきたいポイントです。
20mなど長さを伸ばすと通信速度は落ちる?
結論として、規格に対応した品質のよいLANケーブルを使っていれば、20m・30m程度で通信速度が大きく落ちることは基本的にありません。実際、10メートルと100メートルのLANケーブルを比較しても、ほとんど速度差はみられませんとする解説もあり、長さそのものよりもケーブルの品質や規格内かどうかが重要です。
ただし注意点もあります。
- 古い・低品質なケーブルは要注意:古いケーブルや品質の低いケーブル、LANケーブル同士を何度も継ぎ足した配線では、20m・30mでも速度低下や通信エラーが起こることがあります。
- 最大長の目安は100m:LANケーブルの規格では、最大長を「100m」と定めており、この100mには実際の配線距離だけでなく、パッチケーブルや壁内配線を含めた総距離が含まれます。20mの単体ケーブルを使う分には余裕がありますが、延長コネクタでつなぎ足す場合は合計距離を意識してください。
- ノイズ源からは離す:LANケーブルの長さは、最大使用距離の範囲内であれば速度に影響しませんが、「電化製品のノイズ」の影響を受けると、速度が低下する可能性があります。テレビや電子レンジの近くを這わせる配線は避けた方が無難です。
- フラットケーブルは短距離向き:きしめん状のフラットタイプは減衰特性が通常のケーブルより劣るため、20m前後までの短距離配線で使うのが現実的です。
失敗しないLANケーブル選びのチェックポイント
カテゴリと長さ以外にも、購入前に確認しておくと失敗が減るポイントがあります。フィルムやケースと同じく、スマホアクセサリーも「パッケージの対応表記を自分の目で確認する」ことがトラブル回避の基本ですが、LANケーブルも同様に外皮の表記を確認する習慣が役立ちます。
- 外皮の印字でカテゴリを確認する:カテゴリはコネクタの透明部分だけで判別せず、ケーブル外皮に印刷された「CAT.5e」「CAT6」「CAT6A」などの表記を確認します。購入時だけでなく、手持ちのケーブルを使い回す際にも確認しておくと安心です。
- 単線とより線の違いを知る:LANケーブルの芯線には、「単線」と「より線」という2種類の導線があり、LANケーブルの長さによって、適した芯の構造が異なります。壁内などの固定配線は単線、机まわりの取り回しが多い用途はより線が向いています。
- UTPとSTP(シールドの有無)を確認する:家庭用はシールドなしのUTPが主流ですが、電化製品のノイズが多い環境や、ケーブルを密集して配線する場所ではシールド付きタイプも選択肢になります。
- 曲げ半径に余裕を持たせる:曲げ半径はケーブル外径の4倍以上を確保して減衰を抑えることが施工時のポイントとして挙げられています。家具の裏や壁際で急角度に曲げると性能を発揮しにくくなるため、ゆるやかに配線しましょう。
- 延長・中継は最小限にする:コネクタでの接続や分岐は信号ロスの原因になります。ケーブル同士を接続して延長すると信号ロスも発生しますので、パッチケーブルの長さや接続端子の数などを考慮し、マージンを持った長さにする必要があります。可能なら必要な長さを1本で確保する方が安定しやすい考え方です。
用途別のおすすめの選び方
| 用途 | おすすめカテゴリ | 長さの考え方 |
|---|---|---|
| 動画視聴・SNS中心の家庭用 | CAT6 | 設置場所に合わせて1〜5m前後、延長する場合も20m程度まで |
| オンラインゲーム・Web会議を安定させたい | CAT6A | ノイズ源から離し、曲げを少なくする |
| 10ギガ回線を契約している・検討中 | CAT6A | ルーターからPCまでの距離を測ってから長さを決める |
| 壁内配線など長期間張り替えない配線 | CAT6A | 将来の高速化も見据えて少し余裕のある帯域を選ぶ |
| 部屋をまたぐ・20m以上延長したい | CAT6またはCAT6A(品質重視) | 継ぎ足しを避け、1本物のケーブルを選ぶ |
USB Type-Cケーブルも規格によって充電速度やデータ転送速度が変わる点はLANケーブルと似ています。あわせて USB Type-Cケーブルの選び方|充電速度・データ転送速度・長さの見方 も参考にしてください。
まとめ
- CAT6とCAT6Aの違いは最大通信速度(1Gbpsと10Gbps)と伝送帯域(250MHzと500MHz)で、回線速度に合わせて選べば失敗しにくい。
- 20m・30m程度の長さなら、規格内で品質のよいケーブルを使う限り通信速度が大きく落ちることは基本的にない。古いケーブルや継ぎ足し配線、電化製品の近くを這わせる配線には注意する。
- 外皮の表記で実際のカテゴリを確認し、単線/より線やシールドの有無、曲げ半径にも気を配ると、長く安定して使えるLANケーブルを選びやすい。






